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シンバイオティクス

シンバイオティクス。少し耳慣れない言葉かと思います。これは、プレバイオティクスとプロバイオティクスを組み合わせたものを示します。プレとプロを足すとシンになるというわけです。模式的に示してみました。

プロバイオティクスとは、生きた善玉菌を摂取することとみなせます。代表的な善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌ですね。スーパーマーケットに行くと、様々な菌の名前が書かれたヨーグルトやヨーグルトドリンク、乳酸菌飲料が並んでおり、どれを選んでよいのか迷ってしまうほどです。それぞれの味はもちろん、含まれている善玉菌の種類が異なるので、そんな時は、、、やはり試してみるしかないようです。

一方、プレバイオティクスとは、善玉菌の餌になる食材をとることとみなせます。食物繊維などが有名なところですが、ほかにオリゴ糖、、、これがとても興味深いものなのです。オリゴ糖の科学的な定義はないのですが、動植物に存在する2ないし3~10個程度の糖が結合したもので、ヒトの消化酵素では分解できないために難消化性のまま消化管(腸内細菌の住む大腸への)へ運ばれる高分子です。その発見は今から遡ること120年前のパリ。母乳健康児(母乳で育った赤ちゃん~幼児)は人工栄養児(母乳以外で育った赤ちゃん~幼児)よりも下痢などの罹患が少なく、また罹患しても回復が速いこと、さらに母乳健康児の便からビフィズス菌が分離・培養されたこと、などをきっかけとして腸内細菌の研究が盛んとなったそうです。その過程で「母乳中ビフィズス菌増殖因子」の概念が生まれました。そして、その後の科学の発展において、この因子こそが、母乳に含まれるオリゴ糖と解明されたわけです。
オリゴ糖には様々な種類があるのですが、手軽に摂取できてもっとも有名なものの一つが、牛乳に含まれるガラクトオリゴ糖ですね。我々も知らず知らずのうちに牛さんの母乳の恩恵にあずかっているわけです。

なお、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロ・・・というのは乳糖不耐という現象のもので、今回のお話とは少々異なるものです。乳糖不耐についてはまた別の機会に。

それではまた
次回は腸内細菌バランスの改善についてのお話です。

続く

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