サイエンス カフェ

腸を整える:腸内細菌バランスの改善について(2)

サイエンス・カフェ#8では、ヨーグルトや乳酸菌飲料によっての腸内細菌バランスの改善についてお伝えいたしました。今回は食物繊維について述べたいと思います。

食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあります。それぞれに特徴があります。 まず不溶性ですが、水に溶けないというわけではなくやや溶けにくいという意味です。この不溶性食物繊維は大豆や小豆、きな粉、ごま、そしてナッツ類などに多く含まれます。その構造はハチの巣やレンコンの断面のようなもので、胃や小腸で水を吸収して膨れていきます。これによって満腹感が得られますし、また腸を刺激することによって蠕動(ぜんどう)運動を活発化し、便通を促進します。朝食をきちんと食べると、しばらくしておトイレに行きたくなるのは、こういった原理にも基づくのです。
水溶性食物繊維の特徴は、比較的、水分に溶けやすいので腸のなかでトロトロ、ネバネバのようになります。前回のサイエンス・カフェ#9で紹介したバナナ型は、こういった絶妙な柔らかさに基づいているのです。また、このトロトロ、ネバネバが消化管のなかで余分なコレステロールや糖と結合することで、それらの体内への吸収を抑制することも知られています。高コレステロール血症や糖尿病などの生活習慣病の心配な方には朗報ですね。ただ、水溶性食物繊維がとても多い食材というのは、実はあまりありません。モズクとか寒天は良いかもしれませんね。
もう一つ、食物繊維の大事な特徴は、腸内細菌、とりわけ善玉菌の餌になることです。餌と言われると少々変な感じもしますが、腸内細菌が食物繊維を大腸内で分解、発酵すると、ビフィズス菌などの善玉菌有意な腸内環境にかわっていきます。ここがポイント、まさに腸活というわけです。といっても、食物繊維ばかり食べると、消化不良を起こして、結局は腹痛のもととなってしまいます。何事もバランスを整えていくことが重要ですね。

次回は腸内細菌バランスの改善(3)として、発酵食品にふれたいと思います。
それではまた。

続く

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