サイエンス カフェ

古の知恵とエビデンスその2

みなさん、
線状降水帯という言葉を耳にするたび、不安と心配で胸がいっぱいになります。災害に直面されている人々の、無事と平穏を心より願っています。皆様、どうぞご自愛ください。

さて、今回は「古の知恵とエビデンスその2」として、ナッツのお話をしたいと思います。

まず、ナッツの原産国について紹介します。種実類に分類されるナッツですが、植物学としては多岐にわたります。アーモンドはソメイヨシノなどの桜と同じバラ科の仲間でして、春先にはとてもきれいなピンク色の花を咲かせます。歴史上の記録では、紀元前2000年には現在の中東から地中海沿岸にて自生していたとのことです。クルミ科のクルミ(西洋グルミ)に至っては紀元前7000年にペルシャ周辺で、またこの地域から現在のトルコにかけてはウルシ科のピスタチオが生育していたようです。そのほかに、ハワイ土産で有名なマカダミアナッツ(お土産のほうはもっぱらマカダミアチョコレートですね。(ハワイアンホースト社 https://www.hawaiianhost.jp/products/list.php?category_id=14)は、ヤマモガシ科でオーストラリア原産です。ハワイではありませんでした。中華料理で鶏肉と一緒に炒めるカシューナッツはピスタチオを同じウルシ科ですが、こちらはブラジル原産ですね。このように、様々なナッツが、太古の昔、世界中で自生していました。

そして我らがピーカンナッツですが、こちらは北米大陸が原産となります。現在では北米のかなり広い地域で栽培可能のようですが、自生となるとジョージアやルイジアナ、テキサスといった南部からメキシコ国境を超えるあたりが主だったようです。暖かくないと(暑くないと)生育しないのですが、一方で、冬の寒さを経験しないと発芽しない(種から芽が出ない)ので、赤道近くになるとピーカンナッツの生育は期待できないようです。 これら自生するピーカンナッツは、北米の先住民族であるピマ・インディアンの人々にとって貴重な食料、栄養源でした。

今回のサイエンス・カフェ、なんだか歴史もの、地理ものになってしまいました。ピーカンナッツの何が古の知恵なのか?については、次回の「古の知恵とエビデンスその3」にて紹介します。
それではまた。

続く

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